超CD音質を気楽に聴きたい
CDは音楽を16bit/44.1kHz/2chのPCMで記録している。これは音の波形を単純にデジタル化したもので1,411kbpsのビットレートです。
パソコンや携帯で音楽を聞く時はmp3やAACといった方式でデータ化された物を聞くこと一般的です。ビットレートは64kbpsから320kbps程度まで様々ですが、CDに対し10分の1以下の容量で音楽を聴くことができます。これらは非可逆圧縮方式といってデータサイズを小さくするために音の記録方式を工夫しているだけではなく人間の耳には聴こえない音を切り捨ててています。そのため同じ方式ならばビットレートを落すほど音も劣化します。
実際のところ、ビットレートが十分高ければ圧縮前の音と圧縮後の音を聞き分けられません。ではビットレートがどの程度から差を感じめるかは人によるし体調にも左右されます。また同じ方式、ビットレートでも曲によってはアラが目立つけど、別の曲だと比較的に音質はよい場合もあります。
mp3が普及しはじめた頃はパソコンやポータブルプレーヤのメモリは今よりも少なく貴重だったので音を若干犠牲にしても低ビットレートで済ます傾向もありました。そのため圧縮方式がCD品質をうたっていても実際にはCDと比べると劣化がわかる程度の音質だったりします。
そんなこともありmp3に代表される圧縮方式は音楽には十分だけど実際は音は悪いというのが常識でした。
しかし最近の持て余すような大容量のストレージ、メモリがあればCDのデータを無圧縮で保存しておくことも現実的になりました。CD一杯に使った場合で 700MB,,40分ぐらいのアルバムだと400MB程度です。ただしこのままだと流石にディスク容量がもったいないので圧縮をします。ただしMP3やAACとは違ってデータを完璧に復元できる方式です。可逆圧縮、ロスレス圧縮といいます。
ただ圧縮するのにzipやlzhだとオーディオデータはあまり効果的ではなくてオーディオ専用の方式が開発されています。zipだと7、8割程度の圧縮率がオーディオ専用の方式だと5、6割度の圧縮率のようです。
その方式ですがPCで個人が使えるものとしてはフリーで開発されたAPEやflacなどが早くから使われていて商用のものは比較的最近になってからです。現在ではapple や microsoft もロスレスのコーデックを開発して対応しています。
monkey's audio(APE)
flac
apple losssless
Microsoft WMA lossless
さてCDはデジタルオーディオの規準として、高音質の代名詞として使われていますが、最高のものというわけではありません。
昔からDATでは16bit/48kHz に対応していましたし24bit/96kHzもスタジオでは使われきました。最近ではアマチュア向けの機材でも24/96や 24/192に対応したものも安くなっています。
CD以上の音質で録音するのは編集による劣化を防ぐためです。歌手の声や楽器の音を録音したものはミキシングやマスタリングという作業を経てCDの2chステレオの音声になります。よくスタジオで一杯ツマミのついたコンソールの写真を見ると思いますが売る時はステレオ2chの音声でも元々は非常にたくさんの音声トラックをまとめたものなのです。(場合によっては歌手の(へたくそな)声を補整したりすることもあります。)
ここでCDを越えた音質を超CD音質と呼んでみます。CDをMP3にする場合の音の過程は
になります。音質は右の方が悪くなります。より高音質を望むなら
超CD音質素材 -----> 超CD音質マスター ---------> X
マスタリング エンコード
の形を望むでしょう。と何かもったいぶってますが、超CD音質マスターをコピーして売る形にしたのが SACD や DVD video/DVD audio です。また 24bit/96kHzの音源の配信も一部で行なわれています。
超CD音質のエンコードに対応した方式には
不可逆圧縮には
AAC (規格では96kHzまで対応)
Microsoft Windows Media Audio 9 Professional (24bit/96kHzに対応)
可逆圧縮には
Dolby true HD
Dolby MLPロスレス
dts DTS-HD master audio
Windows Media Audio 9 Pro Lossless
などがあります。
残念ながらiPodやウォークマンなどのポータブルでこれらの超CD音質をサポートした機器はありません。SACDのポータブルプレイヤーも無いし。ポータブルDVDプレーヤーが96kHz対応しているものがあるくらいでしょうか。後はプレーヤとしては操作性がいまいちなのを我慢して24/96に対応しているPCMレコーダー/DSDレコーダを使うかです。
一部の人達はポータブルオーディオ等でできるだけ高音質を望んでCDからロスレス圧縮を選んでいますが、超CD音質+非可逆圧縮を使えばそれより少ない容量で多くの曲をより高音質で持ち運ぶことも可能になるのではないでしょうか。
ファイルサイズ 大←→ 小
高
↑ 超CD音質マスター --------- 可逆圧縮
| |
音 | +-----------------------------------------非可逆圧縮
質 |
|
|
|
+-------------------------CD ------ 可逆圧縮
|
+------------------------------非可逆圧縮
↓
低
なお高音質なディジタルオーディオを実現するのにサンプリング周波数を上げたり分解能を上げたりするのは当然のことですがCDのPCM16bit/44.1kHzという制約のなかでも高音質のための努力がなされてきました。ここでは
などの名を挙げるだけにしておきます。
音楽を製作する側では以前から超CD音質での製作が行なわれており、SACD やDVD audioなどのパッケージ、24/96等でのデータ配信などの手段で超CD 音質が消費者の元に届くようにはなっています。ただし現時点えは非常に限定された市場でこれからの発展が期待されます。
参考URL
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20050811/usen.htm
globeの新アルバムを24bit/96kHz形式のみで配信
http://music.e-onkyo.com/contents/hd.asp
【e-onkyo music】高品質な音楽ダウンロード・配信サイト
課題
超CD音質からmp3/aac(48kHz/44.1kHz)等のデータを作ったらCDからよりも音は良くなるのか?